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第202回演奏会のご案内

ニールセン=北欧の巨匠
 山下一史氏2回目の登場となる今回は、デンマークの作曲家ニールセンの作品を取上げます。山下氏は1986年デンマークでの「ニコライ・マルコ国際指揮者コンクール」で優勝後、北欧の多くのオーケストラと共演をしています。中でもつながりの大きいスウェーデン南部のヘルシンボリ交響楽団とはニールセン交響曲全曲を演奏しています。
 ニールセンはシベリウスと同じ1865年生まれ。今回演奏する交響曲第2番は、6つの交響曲の中でも最もニールセンらしい曲かもしれません。ニールセンが旅先で気質をテーマにした絵を見て興味を持ち作られた曲で「四つの気質」という副題がついています。古代ギリシャ時代から、人間には4つの体液がありそのバランスで病気が起こると考えられ、それによって性格の分類もされてきました。各楽章はそれぞれ胆汁質、粘液質、憂鬱質、多血質を表しており、4つのキャラクターを楽しむことができます。

「海の日」のコンサートに
 後半はフランス印象派の作品から海にちなんだ2曲-イベール「寄港地」、ドビュッシー「海」を演奏します。
 イベールは6人組(ミヨー、オネゲル他)と同世代ですが、第一次世界大戦勃発時に志願して海軍士官となったため6人組に参加しませんでした。大戦後にパリに戻りローマ大賞を受賞してローマに留学中に書いたのが「寄港地」です。イベールは海軍士官として地中海を航行し沿岸各地に寄港しており、その時各地で受けた印象から、イタリア・アフリカ・スペインの港町の情景を美しく鮮やかに描いています。
 「海」は幼い頃船乗りになるのが夢だったドビュッシーの代表作。海の様々な表情が多彩な音色とリズムで表現されています。初版の楽譜の表紙には、ドビュッシーの要望により葛飾北斎の「冨嶽三十六景~神奈川沖浪裏」をモチーフにした海が描かれており、北斎の絵に霊感を得て作曲されたとされています。当時のパリでは、ジャポニズム(日本趣味)が流行しており、多くの芸術家が浮世絵に影響を受けました。「海」の中にも日本的な音がところどころ聞こえてきます。
 山下氏の華麗なタクトでどのような色彩の音楽が繰り広げられるでしょうか。どうぞご期待ください!


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