第208回演奏会のご案内
曽我大介 初登場
今回の指揮者は、新響初登場となる曽我大介です。1965年生まれの曽我は、桐朋学園大学(コントラバス専攻)を経てルーマニアに渡り、その後ウィーン音楽大学指揮科、シエナ・キジアーナ音楽院指揮科、タングルウッド音楽センターなどで研鑽を積みます。1993年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝など数多くのコンクールで賞を得ており、世界各地のオーケストラで指揮をしています。中でもルーマニアではほとんどの国立オーケストラと共演し現在も関係を深めています。2001年には大阪シンフォニカーの音楽監督に就任、日本のプロオケで最も若い音楽監督として活躍しました。現在は東京ニューシティ管弦楽団首席客演指揮者を務め、近年は作曲家としても活動している新進気鋭の音楽家です。
バルトークのオケコン
新響は東欧でのキャリアの長い曽我との初共演に、ハンガリーの作曲家バルトークの作品を選びました。バルトークの生まれたナジセントミクローシュ村は実は現在のルーマニアにあります。バルトークはハンガリーの民謡を採取するなど、ハンガリーの作曲家として独特な作品を残しました。
アメリカ移住後、体調を崩し作曲もせず収入が途絶えたバルトークを支援するため、クーセヴィツキーが委嘱して完成したのが「管弦楽のための協奏曲」です。交響曲のような大作ですが、各楽器がソリストの様に活躍するコンチェルト風の色彩豊かな名曲です。
クーセヴィツキーとバーンスタイン
クーセヴィツキーはボストン交響楽団の指揮者としてアメリカで成功をおさめたユダヤ系ロシア人。同楽団を一流オーケストラに育て、タングルウッド音楽祭で若い音楽家を育成し、また同時代の作曲家のスポンサーとなり多くの作品が彼の委嘱により誕生しました。
20世紀後半の偉大なスター指揮者だったバーンスタインはクーセヴィツキーの弟子でした。同じユダヤ系ロシア人を父に持つアメリカ人の彼は、ピアノを学んでいた15歳の時にボストン交響楽団の定期会員となりクーセヴィツキーの指揮に夢中になります。その後タングルウッドでクーセヴィツキーの下で働くなど、多大な影響を受けます。後継者としてボストン交響楽団の音楽監督になることを望むも果せませんでしたが、彼の最後の指揮はタングルウッド音楽祭におけるボストン交響楽団との演奏でした。
ウエストサイド物語=アメリカ版ロミオとジュリエット
指揮者として活躍したバーンスタインですが、作曲家としても一流でした。交響曲をはじめとするクラシック音楽作品を数多く残していますが、何と言っても代表作はミュージカル『ウェストサイド物語』でしょう。映画化されアカデミー賞を総なめする世界的大ヒットしたことでバーンスタインの名は国際的なものになりました。今回演奏するのは、ミュージカルの音楽をオーケストラ演奏会用にバーンスタイン自身が編曲・再構成したものです。サウンドトラックとは違うシンフォニックな音楽をお楽しみください。『キャンディード』はブロードウェイでは興行的に今一つでしたが、その後改訂され組曲でも演奏されています。中でも序曲は楽しく躍動感溢れる曲です。
サウンドトラックとは一味違うシンフォニックな音楽をお楽しみください!!(H.O.)