第225回演奏会のご案内
曽我大介〜新交響楽団4回目の登場
今回の演奏会は、ドラマチックな演奏が魅力的な曽我大介を指揮に迎え、2つの物語の音楽をお届けします。「剣の舞」で有名な「ガイーヌ」と、フィギュアスケートでもたびたび使用されてお馴染みの「シェヘラザード」です。
ガイーヌ〜ソ連コルホーズのお話
1942年に初演されたバレエ「ガイーヌ」は、ソヴィエト時代の作曲家ハチャトリアンの代表作です。ガイーヌはアルメニアのコルホーズ(集団農場)で働く愛国心の強い女性。夫が密入国者の手伝いをしていることを知り、危険を冒して告発し、その時夫を捕まえ自分を助けてくれた警察隊長とめでたく結婚するというお話です。(改訂版では若者の恋の話に変わっています。)全曲で100分ほどかかる作品ですが、今回はその中から剣の舞、レズギンカなど5曲を演奏します。アルメニアの民族色に富み、躍動的で迫力のある音楽をお楽しみください。
シェヘラザード〜アラビアンナイト
1888年に作曲された交響組曲「シェヘラザード」は、ロシア5人組の一人で色彩的な管弦楽法で知られるリムスキー=コルサコフの代表作です。シェヘラザードはアラビアンナイト(千夜一夜物語:10〜16世紀にアラビア語でまとめられた民話集)の語り手として登場する女性。ペルシャの王が妻の不貞を発見した怒りから、処女と結婚しては一夜限りで翌朝殺してしまうことを繰り返した後、大臣の娘シェヘラザードと結婚をした。王は夜に彼女がする不思議な話が面白く、朝になっても次の話を聞きたくて彼女を殺すことが出来なかった。これが千夜続き、その間に3人の子が生まれ王は改心したというもので、話には、アラジンと魔法のランプやアリババと40人の盗賊など、有名なお話が含まれています。
この曲は4つの楽章からなり、それぞれに表題は明記されていませんが、シンドバットの冒険など4つの物語を表しています。各楽章で語り手であるシェヘラザードの主題が高音域の美しいヴァイオリンソロで演奏されます。
大谷康子~華麗なるコンサートミストレス
シェヘラザードではコンサートマスター(第一ヴァイオリンのトップとしてオーケストラの演奏をまとめる役割で、ヴァイオリンソロを受持つ)として大谷康子を迎えます。大谷は81〜94年東京シティフィルハーモニー管弦楽団、95年から現在まで東京交響楽団のコンサートマスターを務める日本を代表するヴァイオリン奏者で、他にもソロやボランティア活動など、各方面で活躍し華のある演奏で聴く者を魅了します。
今回はサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番でもソロを演奏します。美しくロマンティックで力強さもあるこの曲はピッタリでしょう。当団との初共演にご期待ください!
どうぞお楽しみに!(H.O.)