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第230回演奏会のご案内

■矢崎彦太郎=新交響楽団3回目の共演
 パリを拠点に世界中で活躍する矢崎彦太郎氏を指揮に迎え、マーラーのソプラノ独唱を伴った交響曲第4番と、ラヴェルの管弦楽作品2曲を演奏します。氏の柔かいタクトからは色彩豊かな音が溢れ、異国の風を感じるような魅力があります。ソプラノには、演奏活動のほかにベネズエラ大使夫人としてエル・システマ活動も行うコロンえりか氏を迎えます。


■マーラー交響曲第4番~天上の音楽
 マーラーはウィーンで活躍した作曲家で、主に交響曲と歌曲を作曲しました。番号の付いていない「大地の歌」を含めて10曲の交響曲を残しましたが(第10番は未完)、そのうち5曲に声楽が使われています。他の純器楽の交響曲にも自作の歌曲と関連を持たせるなど、歌にこだわった作曲家でした。
 当時マーラーは指揮者として高名で、夏休みに集中して作曲活動を行っていました。1897年ウィーン宮廷歌劇場監督に、1898年にはウィーンフィルの定期演奏会指揮者に就任しました。交響曲第4番を作曲したのは丁度この頃でした。
 ユダヤ人であったマーラーは、歌劇場監督になるためカトリックに改宗しました。復活信仰を持っており、「子供の不思議な角笛」(ドイツの民衆歌謡の詩集)から「天上の生活」を題材にしています。トロンボーンなしの小ぶりな編成でモーツアルトのような面もあり、時には激しく、また牧歌的に、最後は美しいソプラノで天国が歌われます。


■ラヴェル~管弦楽の魔術師
 前半は、フランスの代表的な作曲家で管弦楽の魔術師とも呼ばれるラヴェルの管弦楽作品を2曲演奏します。
 「ダフニスとクロエ」は、当時パリで成功を収めていたロシア・バレエ団の主宰者であるディアギレフから1909年に依頼を受けて作曲されました。この頃ラヴェルは、サン=サーンスが設立した国民音楽協会を脱退し、独立音楽協会を創設し現代的な新しい音楽を目指していました。
 お話は古代ギリシャ、山羊に育てられたダフニスと羊に育てられたクロエがそれぞれ山羊飼い・羊飼いに拾われて、成長して恋に落ち、実は高貴な生まれで最後はめでたく結ばれるという恋物語です。ディアギレフは合唱まで付いてバレエ的でないと気に入らず、今ではコンサートで演奏される機会の方が多いですが、ラヴェルの最高傑作と言っても過言ではないでしょう。全曲だと1時間近くかかりますが、ラヴェルはこれから2つの組曲を作りました。特に第2組曲は演奏機会も多く吹奏楽でも有名な人気のある曲です。
 「古風なメヌエット」は、ラヴェルが20歳の時にピアノ曲として作られましたが、管弦楽に自ら編曲したのはその34年後で、ラヴェルの最後の管弦楽作品となりました。古典派の様式であっても、とても斬新で洒落た曲です。
 どうぞお楽しみに!(H.O.)

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