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第249回演奏会のご案内

矢崎彦太郎=新交響楽団8度目の共演
 パリを拠点に世界的に活躍し、その理知的なタクトから豊かな色彩溢れる指揮者、矢崎彦太郎との共演は8回目となります。フランスの管弦楽作品を中心にプログラミングしてきましたが、今回はドビュッシーの代表作「海」を取り上げます。

ドビュッシーの2つの交響的な絵画
 フランス印象派の作曲家であるドビュッシー(1862-1918)が、交響詩「海」を作曲したのは1905年。オペラ「ペレアスとメリザンド」が成功し、作曲家としての地位が確立された時期でもあります。「海上の夜明けから真昼まで」「波の戯れ」「風と海との対話」という3つの楽章からなり、海の情景が時間経過とともに描かれます。初版のスコアの表紙には、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が使われました。
 交響組曲「春」はドビュッシーがローマ大賞を獲得してローマに留学していた1887年に作曲されました。ボッティチェッリの名画「プリマヴェーラ(春)」から着想を得て作曲したと言われており、春の息吹や喜びが描かれています。残念ながら火災により楽譜が焼失したのですが、合唱とピアノの版は残っており、ドビュッシーの指示でビュッセルにより新たにオーケストレーションされました。

メンデルスゾーンの傑作「スコットランド」
 ドイツロマン派の作曲家であるメンデルスゾーン(1809-1847)、ドイツのとても裕福で教育熱心な家に生まれ、音楽だけでなく絵画や文学、外国語にも堪能な神童でした。特に三大ヴァイオリン協奏曲の一つであるヴァイオリン協奏曲ホ短調や、結婚行進曲で知られる「真夏の夜の夢」は有名です。指揮者としてもライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で多くの作曲家の作品を初演し、バッハの「マタイ受難曲」を蘇演するなど音楽界で大きな影響力を持っていました。
 交響曲を5曲残していますが、出版順に番号が付けられ第4番と第5番はメンデルスゾーンの死後に出版されているため、第3番「スコットランド」が最後に作曲された交響曲です。メンデルスゾーンはイギリスを10回訪問し計20か月も滞在しましたが、スコットランドに旅行した際に訪れたエディンバラのホリールード宮殿に着想を得て作曲されました。1829年に着手して全曲が完成したのが1842年。筆の速かったメンデルスゾーンが時間をかけた自信作で、美しい旋律と豊かな抒情性に溢れるこの曲はスコットランドの自然が浮かぶような魅力的な曲です。一般的に演奏されるのは1843年改訂版ですが、今回は1842年ロンドン稿を使用して演奏します。
 メンデルスゾーンは脳出血により38歳の若さでこの世を去りました。一時はワーグナーが批判しナチス体制から演奏禁止とされましたが、近年再評価・研究され大作曲家として認知されています。
 どうぞお楽しみに!(H.O.)

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