第257回演奏会のご案内
今回のコンサートでは、指揮に飯守泰次郎氏を迎えドイツ・ロマン派の作品を演奏します。バイロイト音楽祭の助手を務めるなど長年ドイツを中心に欧州で活動しドイツ文化に造詣が深い飯守氏のタクトで、その魅力をお楽しみください。
ブラームス最後のシンフォニー
ブラームス(1833-1897)は、バッハ、ベートーヴェンと並びドイツ作曲家三大Bに数えられています。4つの交響曲のそれぞれに個性があります。第1番はベートーヴェンを意識し約20年かけ完成された荘厳で堂々としたもの。第2番はドイツの田園風景を思わせ明るく開放的。第3番は恋する気持ちが表れ甘美で哀愁的。そして最後に書かれた第4番は、それらすべての要素を併せ持つ最もブラームスらしい交響曲かもしれません。ブラームス自身も「自作で一番好きな曲」としていました。
1885年にブラームス自身の指揮でマイニンゲン宮廷管弦楽団で初演されましたが、同団の補助指揮者をしていた若き日のリヒャルト・シュトラウスがトライアングルを担当しました。
リヒャルト・シュトラウス=ドイツ・ロマン派最後の巨匠
R.シュトラウス(1864-1949)は、25歳からの10年間で「交響詩」と呼ばれる標題のついた作品を集中して作曲しました。『死と変容』もその一つです。若い頃は病弱でたびたび死の危機に直面することがあり、その時の心境を音にしたものです。
変容Verklärungは、キリストが光り輝く姿になった時にも使われる言葉で、日本では成仏の方がピンとくるかもしれません。作曲から60年後、シュトラウスが死の間際に昏睡状態から目覚めて「死と変容と同じだった」と言ったということです。
ドイツ国民オペラの始まり=「魔弾の射手」
ウェーバー(1786-1826)が歌劇「魔弾の射手」を作曲したのは1821年、19世紀初頭のドイツではイタリアオペラが主流でした。モーツァルト「魔笛」やベートーヴェン「フィデリオ」といったドイツ語のオペラはありましたが、外国の話が題材で、ドイツ民話に基づいたこのオペラは大成功を収めました。
物語はボヘミアの森。結婚がかかった射撃大会で悪魔に魂を売って入手した魔弾を使うことに。7発中6発は必ず命中するが1発は悪魔の望む場所に当たるという魔弾。悪魔は最後の1発を婚約者に当たるようささやくが結果はいかに!
どうぞお楽しみに!(H.O.)