第268回演奏会のご案内
これであなたもワグネリアンに
14時間超、序夜と3日(計4日)に分けて上演されるワーグナー「ニーベルングの指輪」、主要な登場人物(人類以外も含む)は人間の根源的な欲望の象徴でポリコレや倫理感が吹っ飛んだ非常識人ばかりですが、巧みな設定と魔法のような音楽によって観る者は彼ら彼女らに感情移入して劇に没入してしまう。これがいわゆるワーグナーの魔力ではないでしょうか。そのように“大人な”筋書きの中で3番目(第2日)の「ジークフリート」は子供にも安心して見せられる一服の清涼剤ともいえるでしょう。スペクタクルな見せ場が多く飽きないのですが、一方で経緯を復習するような対話場面も多く登場人物への感情移入が難しい部分があるのは否定できません。本公演では音楽がカッコいいスペクタクルシーンを抜粋、霊剣を鍛える場面・大蛇との闘いと森の小鳥の声・燃え盛る炎を超えブリュンヒルデを目覚めさせ結ばれるまでなどをお送りします。新国立劇場の音楽チーフ(現在は音楽ヘッドコーチ)として飯守泰次郎氏のワーグナー公演をはじめ多くのオペラ公演を支え、2021年には自ら第1日「ワルキューレ」を指揮し絶賛された城谷正博氏の指揮と主宰する“「わ」の会”(ワーグナーの素晴らしい抜粋上演を毎年開催している集団)の全面的なご指導・ご協力をいただけることとなりました。最高のワーグナー体験をご提供できるものと確信しています。