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フランツ・シュミットとウィーンフィルそしてマーラー

品田博之(クラリネット)

 新交響楽団がフランツ・シュミットを取り上げるのは今回が2回目です。最初にとりあげたのは2015年10月12日で、彼の最高傑作のひとつである交響曲第4番を演奏しました。その時のプログラム解説で、フランツ・シュミットは「宮廷歌劇場管弦楽団のチェロ奏者として採用され、ほどなくウィーン・フィルハーモニー管弦楽団にも加入した。マーラーにその能力を買われて首席奏者の座についたこともある(シュミットが1896年から1911年に宮廷歌劇場のチェリストだった時期は、ちょうど、マーラーが実権を握っていた1897年から1907年と重なる。絶対者として君臨するマーラーに対しては反感をもち、マーラー嫌いを公言していたようである)。」とあります。この時代を感じさせる興味深いものを入手したので皆様にもご覧いただきたいと思い、ここでそのコピーを掲載します。ほぼ毎回、新交響楽団を聴きに来て下さる友人に今回のコンサートを案内したら貸してもらったものです。
 まずは、1899年12月3日のウィーンフィルのコンサートのプログラムです。指揮はグスタフ・マーラーで曲目は、ブラームス交響曲第3番、ドボルザーク交響詩『野鳩』、ベートーヴェン『献堂式』序曲 です。そして写真三枚目のメンバー表のチェロの欄をご覧ください。下から三番目にSchmidt Franzの名前が見つかります。どういう順番に並んでいるのか、首席奏者のマークなどもないので席次はわかりません。
 次は時代が下って、1924年2月10日のウィーンフィルのコンサートのプログラムです。これは全曲フランツ・シュミットです。一曲目は本日取り上げる歌劇「ノートルダム」より間奏曲と謝肉祭の音楽 です。二曲目はオルガン曲で 幻想曲とフーガニ長調 (世界初演)、三曲目が交響曲第2番、ドイツ語ですが曲目解説の最初のページも掲載しておきます。
 このように当時のウィーンではフランツ・シュミットの音楽がかなり取り上げられていたようです。以前、「マーラーの後はフランツ・シュミットが見直される」といわれたこともありました。マーラーは超メジャーな作曲家としていまやベートーヴェンをしのぐほどの演奏機会がありますが、一方でまだまだ演奏機会の少ないシュミットのことを、この記事を見てすこしだけでも身近に感じられるようになっていただけたら幸いです。

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