新響のチケットシステムについて
維持会の皆様、いつもありがとうございます。
2018年10月本番の第243回演奏会から新響ホルンパートの一員になりましたYと申します。第244回からチケット係を、前回第247回からは広報も担当しています。
松下編集長から「『新響維持会ニュース』の執筆陣の若返りも図りたい」とご指名頂きました。若いかどうか微妙な年代ですが、新響では確かに若いほうで、平成元年生まれです。もっと若い20代の団員も活躍しているので、次々とバトンタッチできれば良いなと思っております。そして20年後くらいに令和生まれの団員が入ってくることを、だいぶ気が早いですが今から心待ちにしています。
今回の執筆依頼を機に今までの『維持会ニュース』を読み返してみました。1996年1月の第151回演奏会以降は新響ホームページの過去の演奏会ページに「維持会ニュースより」として掲載されています。
知識も経験も豊富な先輩方による個性的でディープな内容ばかりですが、チケットについては私が確認できた範囲では誰も書いていないようです。歴代チケット係の苦労話など、本当は私が一番聞きたいのですが・・・・。
私が現状を書きますので、5年後10年後50年後100年後!?のチケット係が、昔はこんなことやっていたのかと面白がって読んでくれていたら嬉しいです。詳しい技術は分かりませんが、10年も経てば、もしかしたら紙のチケットはほぼ廃止され、今のスマートフォンよりさらに進化したデバイスで入場するようになって、チケット係は入場システム管理係のようなものになるかもしれませんね。実際に今でも、紙のチケット代わりにスマートフォンで表示したコードを読み取るような演奏会もあります。紙のチケットが完全になくなるのは寂しいですが、このようなシステムが導入される日も近いかもしれません。
◆皆様のお手元にチケットが届くまで
果たして維持会の皆様にも興味をお持ち頂ける内容なのか不安ですが書いてみます。
①本番4ヶ月前
新響がお世話になっている音楽事務所であるコンサートイマジンさん(以下イマジンさん)に演奏会情報を伝えチケットを発注します。東京芸術劇場だと1,999席分です。
完成したチケットはイマジンさん扱い分(電話窓口、劇場窓口、インターネット窓口=チケットぴあさん)と、新響扱い分に分けて頂きます。
②本番約3ヶ月前(1つ前の演奏会の本番前後)
イマジンさんから新響扱い分のチケットを受けとります。内容を確認したあと、席種ごとに仕分けします。
ちなみに新響扱い分のチケットの額面上の総額は約400万円!チケットを受け取った直後に家の引っ越しがあった時は、チケットの束を無くさないか心配でしたが貴重品扱いで大切に運び、10月の超大型台風の時は例え窓ガラスが割れたとしても楽器と楽譜とチケットだけは守れるように防水して安全な場所に置きました。
③初回練習日~当日リハーサル前まで
団員用チケットを配布します。この方法は後ほどご説明します。
④本番1~2週間前
維持会の皆様からのお申込を元に維持会席数を確定し、チケットを係に渡します。
⑥演奏会当日
維持会窓口に座席表をご用意し、先着順で座席をお選び頂き、チケットをお渡しします。入り口でもぎって、いよいよ開演です。
◆チケット管理システムについて
私がチケット係になって、ちょっとした改革を始めました。
まず改革その1、チケット管理システムの刷新です。私の前の担当者まではExcelマクロを駆使した何だかすごいシステムを使っていたのですが、座席番号(席番)で検索ができないという弱点がありました。おそらくマクロのための理由があったのでしょうが、階数・何列目・何番が全て別の列になっていました。全席リスト化はされているのですが、タブの切り替えとスクロールがとても多い状態で、該当の席を探すのが手間でした。
仕組みがよく分からない部分もあったので過去のシステムは使わずに、新しく自分で分かるようなシステムを作り始めました。システムといってもプログラム言語やExcelマクロは使わず、簡単なExcel関数と手入力が元になっています。
まず、検索がしやすいように、1つの席番は1つのセルにすることにしました。例えば2階A列3番という席だったら、過去のシステムは[2]というセルと[A]というセルと[3]というセルに分かれていたのですが、私は1つのセルに[2A3]と短縮した席番を入力しています。1つのセルに入った文字列はCtrl+Fで簡単に検索できます。
Excelで2行1セットの四角を作り、上の行は席番・下の行は団員名を入れる欄としました。その四角を座席数に合わせて配置し、座席表にしました。団員から申し込みがあると、内容に沿って座席表の空欄に名前を入力する作業をします。名前を入力したら上の行の席番をコピーし、別のシートに貼り付け、団員に渡す封筒用のラベルを作っています。その封筒のラベルを元にチケットの束から該当のチケットを探し出し、封筒に入れて毎週の練習で団員に配布しています。
◆団員チケットについて
第244回までは団員からのチケットの申し込み方法はメールか練習日に置く所定用紙のみでしたが、第245回からは申し込みフォームを導入しました。改革その2です。団員のみに公開しているURLにアクセスすると希望する席種・枚数・要望などの入力ができるようになっています。
メールよりも必要事項が分かりやすく団員からも好評で、私も入力形式が決まっているので確認しやすいです。
第246回からはホールの全エリアを細かくブロック分けし、ブロックごとの残席数を団員に伝えています。チケット管理システムの座席表の空席に色付けしたものも申し込みフォームに載せ、細かい希望にも応えられるようにしています。これが改革その3です。Excel関数を使ってブロックごとの残席数をカウントし、空席に自動で色をつけていますが、最初は知らない関数ばかりでした。こういう機能ないかなと調べているうちにExcelに少し詳しくなりました。マクロを使わないと以前のシステムほど自動化はできませんが、少しずつ使いやすいシステムに改革しています。
将来的には、映画館の座席予約のように、団員が空席をリアルタイムに確認しながら希望の座席を押さえていくようにしたいと思っております。そのようなシステムを作れそうな団員に相談しているところです。
◆広報について
広報としては第247回から公式Instagramを開設しました。
2019年8月1日に開設して第247回本番当日10月13日までの2ヵ月半でフォロワー数が120名を超えました。12月10日時点でのフォロワー数は150名です。
Facebook・Twitterもそれぞれ担当の団員が更新しています。良かったらご覧下さい。
・公式Instagram https://www.instagram.com/shinkyo_pr/
・公式Facebook https://www.facebook.com/shinkyo.tokyo/
・公式Twitter https://twitter.com/shinkyo_tokyo
コンサートスクウェア・ぶらあぼなど各種演奏会情報掲示板での宣伝もしています。
他のアマオケだと「チラシ挟み」と呼ばれる、演奏会のチラシを他の団体の演奏会のパンフレットに依頼して挟む宣伝活動がありますが、新響ではその活動は全てコンサートイマジンさんに委託しています。
◆新響入団1年半を経て
2018年の7月の練習から新響に参加して1年半が経過しました。
約100名の団員の名前はチケットをご用意する内に大体覚えました。全団員との接点が増えたのがチケット係を担当して良かったことの1つです。
入団する前まで高校と大学のOBオーケストラという狭い範囲での活動が中心だった私にとって、新響の本番は初体験の連続です。初めてのブルックナー作品&ワグナーチューバパ―ト担当(第243回)、初めてのバンダパート演奏(第244回『トリスタンとイゾルデ』第2幕冒頭)、初めての芥川先生作品&バルトーク作品(第245回)、初めてのバーンスタン作品(第246回)などです。指揮者の先生方も全員初めての共演でした。毎回指揮者もコンセプトも変わりますが、全てが特別な演奏会として強く印象に残っています。
新響の団員募集ページには「常に新しい視点をもって活動をしていくために、新しい力を必要としています」と書いてあります。私には何もできないと思っていましたが、チケット係に関してはご紹介しましたように「新しい視点」で少しずつ工夫をしています。
技術面では他のベテランメンバーに比べると経験も技術もまだまだ足りないのですが、バンダで出番が一瞬だけの曲も含めると、第243回から第247回まで5回連続で全曲に乗せて頂きました。席数が限られている管楽器では珍しいことです。1月の第248回は前半2曲ともホルンが2管なので、ハイドンが初めての降り番ですが、『魔笛』序曲では新響に入団してから初めて1stの席に座ります。
今後も運営面でも技術面でも技術を磨いてさらなる高みを目指していきたいと思っております。よろしくお願いします。