第151回演奏会ご案内
労音アンサンブルとして1956年に発足した新交響楽団は96年に創立40周年を迎えます。これを記念して毎回テーマを設けた演奏会を行ってまいります。
まず1月は、新響初の試みとなる演奏会形式のオペラ「ワルキューレ」第1幕を飯守泰次郎の指揮で上演します。独唱者は日本最高レベルのワーグナー歌手3人という豪華な顔ぶれです。
4月は「旧ソ連の音楽」。音楽監督の故芥川也寸志が国交回復前にソ連入りして以来交流のあったショスタコーヴィチ、そして芥川の作風に大きな影響を与えたプロコフィエフ、そしてハチャトゥリアンの作品を取り上げます。
7月には「日本の交響作品展」と題した2夜連続のプログラムで、演奏曲目は戦前から1950年までの作品から厳選します(曲目は未定)。邦人作品の演奏会を長く取り上げてきた新響の邦人作品演奏会の総決算というべき演奏会です。
40周年の最後を飾るのが原田幸一郎の指揮するオール・ベートーヴェン・プロ。この偉大な作曲家の交響曲を特集した演奏会は、そのオーケストラの力量が正面から問われるものになりますが、新響はこれに挑戦します。40年間で培った音楽の蓄積を披露したいと考えています。
<新交響楽団151回演奏会>
記念シリーズの第1回目は、3度目となる飯守泰次郎との共演です。過去2回はいずれもワーグナーの序曲とブルックナーの交響曲という組み合わせでしたが、今回はワーグナーの演奏会形式のオペラに取り組みます。西洋音楽では大きな比重を占めるオペラも日本では全体からみれば演奏回数は多くありません。バイロイト音楽祭をはじめとする、主にドイツのオペラハウスでの豊富な指揮経験を持つ飯守の指揮のもと、より総合芸術色の強いワーグナーの「楽劇」に取り組むことで、オーケストラの表現力の多彩さを目指します。
独唱は3人ともにワーグナーの歌い手として最も評価の高いソリストたちです。これらの豪華な顔ぶれでどんな白熱したドラマが生まれるでしょうか。ご期待ください。(文中敬称略)
第151回演奏会(1996年1月20日)ちらしより