第157回演奏会ご案内
4月は過去3回の力演で新響との相性も定着した感のある飯守泰次郎の登場です。
これまでの共演で意味深い音楽体験を積み重ねることのできた団員一同、今回はどんな練習に、そしてどんな演奏会になるか、今から期待感でいっぱいです。
取り上げるのは飯守泰次郎得意中の得意のブルックナーです。新響とは初めての共演で第4番を、一昨年には飯守氏の創る音楽世界にオーケストラとして改めて大きな確信を持つこととなった第8番を演奏しました。そして今回は第7番です。ブルックナーの最高傑作に数えられるこの曲は、まさに天上の音楽ともいうべき、至高の作品です。
これまでのブルックナー演奏で、ドイツ・オーストリア音楽の神髄を見せてくれた飯守泰次郎が、今回はどんな世界を体験させてくれるのか、大変楽しみです。新響としても3度目の「飯守ブルックナー」、そろそろ身に染みついた演奏ができるのではないでしょうか。
もう1曲は、昨年惜しまれつつ逝去した武満徹の作品です。新響といえば日本人作曲家というイメージもあるかと思いますが、いわゆる「現代音楽」は案外取り上げておりません。武満も一昨年に映画音楽作品を演奏しましたが、本格的なオーケストラ作品には初挑戦となります。
今回取り上げるのは「鳥は星形の庭に降りる」。 オーケストラのための作品としては氏の代表作と言ってもよい作品です。飯守氏の薦めもあって選曲したこの曲。意外な組み合わせかもしれませんが、官能的な色彩を表現する手腕には定評のある飯守泰次郎がいかに描くか、果たして新響=武満の相性は? どのような演奏になりますでしょうか。
武満徹とブルックナー、一見対照的に見える2つの作品を飯守泰次郎がいかに振り、新響がいかに応えるか。どうぞご期待ください。
第157回演奏会(1997年4月5日)ちらしより