第179回演奏会のご案内
●渡邉康雄
指揮者渡邉暁雄の長男として1949年東京に生まれる。東京芸大附属高校作曲科卒業後渡米、ニューイングランド音楽院、ジュリアード音楽院等でピアノ科に移籍、セオドア・レトヴィン、サッシャ・ゴルトニツキーに師事。この間タングルウッド音楽祭等への出演、ボストンでのリサイタル、ヨーロッパでの協奏曲共演などで活躍。
日本では1972年東京文化会館にてブラームスのピアノ協奏曲第2番を父子共演でデビュー、以後現在までにNHK交響楽団、東京都交響楽団、ヘルシンキ放送交響楽団などと共演している。数多くのソロ・リサイタルのかたわら室内楽分野でもヴァイオリンの堀米ゆず子、声楽の岡村喬生、チェロのリン・ハレルらのパートナーとして活躍。
指揮者としては1982年に徳島交響楽団、88〜91年には神戸室内合奏団の常任指揮者もつとめた。92年には日本フィルで指揮デビュー。以後日本フィル、東京都響、オーケストラ・アンサンブル金沢、広島響、群馬響などを指揮して絶賛を博す。現在くらしき作陽大学音楽学部教授、桐朋学園大学音楽学部ピアノ科講師。新交響楽団とは98年の160回演奏会でシベリウス交響曲第2番を共演している。
●ウラジミール・オフチニコフ
ロシア・ウラル地方に生まれる。幼い頃に家族とともにモスクワに移り、A・アルトボレフスカヤに師事。モスクワ音楽院に進み、ロシアン・ピアニズムを世界に知らしめたとされるアレクセイ・ナセドキン教授に師事。1980年のモントリオール国際コンクール、82年のチャイコフスキー国際コンクールなどで優れた成績をおさめ、87年のリーズ国際ピアノ・コンクールで第1位入賞、センセーショナルな世界デビューを果たした。演奏活動のかたわらモスクワ音楽院、ロンドン王立アカデミーで後進の指導にあたり、2001年4月、くらしき作陽大学「モスクワ音楽院特別演奏コース」ピアノ専修特任教授に就任。
●アンドレイ・ピサレフ
1983年ラフマニノフ国際ピアノ・コンクール(モスクワ)第1位入賞。くらしき作陽大学「モスクワ音楽院特別演奏コース」ピアノ専修特任教授。1962年ロシア共和国ロストフ生まれ。7歳からピアノのレッスンを受け、1978年モスクワ中央音楽院に入学、ボリス・シャスキー教授に師事。1982年モスクワ音楽院に入学、ロシアン・ピアニズムを象徴する存在として知られるセルゲイ・ドレンスキー教授に師事し、薫陶を受ける。1987年同音楽院を卒業後89年に修士号取得、ドレンスキー教授の助手をつとめた後、助教授に就任。1983年にはラフマニノフ国際ピアノ・コンクール第1位入賞をはじめ、91年国際モーツァルト・コンクール(ザルツブルク)第1位など各地で優れた成績をおさめている。2000年4月より、くらしき作陽大学「モスクワ音楽院特別演奏コース」ピアノ専修特任教授に就任。
●新交響楽団
1956年創立。音楽監督・故芥川也寸志の指導のもとに旧ソ連演奏旅行、ストラヴィンスキー・バレエ三部作一挙上演、10年におよぶ日本の交響作品展(1976年にサントリー音楽賞を受賞)などの意欲的な活動を行ってきた。その後もマーラーの交響曲全曲シリーズ(故山田一雄指揮)、ショスタコーヴィチ交響曲第4番日本初演、日本の交響作品展91、92(石井眞木指揮)などの演奏会、1993年9月にはベルリン芸術週間に参加して3邦人作品をフィルハーモニーで演奏するなど、積極的な活動を行っている。1996年には創立40周年記念シリーズでワーグナー「ワルキューレ」の演奏会形式公演(飯守泰次郎指揮)、「日本の交響作品展'96」では1930年代から40年代にかけての知られざる作品を発掘するなど、各方面から注目を集めている。
第179回演奏会(2002年10月14日)ちらしより