第87回演奏会(80年4月)プログラムより
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作者は、アイヌ語でシャアンルルーと呼ぶ高原の一寒村に少年期を過ごしました。そこには、未だ多くのアイヌの人達が住んでいて、古い行事や古謡が傅承されていました。
タプカーラとは、彼等の言葉で『立って踊る』と云うような意を持ち、興がのると、喜びは勿論、悲しい時でも、その心情の赴くまま、即興の詩を歌い延々と踊るのでした。
それは、今なお、感動を押え得ぬ思い出なのです。
その彼等への共感と、ノスタルヂアがこの作品の動機となっています。
作品は、中学一年からの友人で、博識な音楽評論家である三浦淳史君に献呈されています。
彼は、少年である私をそそのかし、私を作曲と云う地獄界に陥れたメフィストフェレスなのです。