維持会ニュース団員紹介コーナー(1997.9月号)より


内田 明美子

1.氏名、2.パート、3.生年月日、4.入団して何年?、5.出身、6.職業・普段の顔、7.使用楽器、8.好きな曲・好きな演奏家、9.印象に残る新響の演奏・演奏会、10.新響に一言、11.維持会員の皆様に一言

1.氏名
内田 明美子、名前はこれで「はるこ」とよみます。「明」「美」の字を使いたかった祖父母と、子のつく名前にしたかった両親の双方を満足させようとした結果、こんな読めない名前になってしまったそうです。

2.パート
 ヴァイオリン

3.生年月日
 1964年10月26日

4.入団して何年
長男がお腹にいるときに入団しました。早いもので、長男ももうすぐ5歳になります。

5.出身
神奈川県。ただし転勤族の娘ですので、小・中学校のころは千葉、高校3年間は富山で過ごしました。

6.職業・普段の顔
「男女雇用機会均等法」の施行年に銀行に就職し、現在は子会社のシンクタンクの研究員。流通・物流分野の調査研究を担当しています。
家庭は新響団員の夫と男の子2人の4人家族。音楽以外に趣味とてなく、なけなしのプライベート・タイムの大半はオケや室内楽に注ぎ込まれています。新響「託児の会」の存在は偉大です。

7.使用楽器
「Joannes Baptista Guadanini 1741年」のラベルが貼られていますが、鑑定書はなく、おそらくは同時代のよくできた模倣品。4年前、「長男が大きくなったら使わせる」の名目で、実家の一部資金援助を仰いで手に入れました。それまでは新作楽器を使っていましたので、オールドの弾き心地に感激しました。音がよく伸び、互いに共鳴するのが快感(ただし、音程が悪いと駄目)。もはや手放す気はありません。

8.好きな曲・好きな演奏家
 一番好きな作曲家はブラームス。彼の音楽は、心の一段深い部分を濃厚に満たしてくれます。もし、「死ぬ前にあと1曲だけ弾かせてやる」といわれたら、弦楽五重奏曲第2番 作品111を選ぶでしょう。今回の演奏会で取り上げる交響曲第4番もまた、格別の曲です。重厚で立派なハーモニーの合間にふと見え隠れするゆらぎ、さりげないフレーズににじむ人恋しさ、カッコイイ見せ場のあとの何でもない和音の美しさ、こういった「ブラ4」の奥深い魅力を、丁寧に表現するような演奏を目指したいと考えています。
 演奏家では弦楽四重奏の聴き比べが趣味。ブダペストSQ、スメタナSQなどの東欧のカルテットに、特に愛着を持っています。

9.印象に残る新響の演奏・演奏会
*1995年7月:映画誕生100年特別企画「映画音楽特集」。
初めてコンサートマスターをやった前半ステージでは、サンサーンス、アイスラー、サティ他によるヨーロッパ映画の音楽を取り上げました。CDも何も出ていない曲ばかりで途方に暮れました。特に室内楽形式のアイスラー「雨」は、とんでもなく難しい現代曲で、思い出すのもオソロシイ。新響ならではの企画ではありました。

*1996年1月:ワグナー楽劇「ワルキューレ」第1幕全曲
それまでワグナーオペラは序曲しか知らなかったが、飯守先生や団内の熱心な先達の手引きにより「楽劇」の面白さに開眼しました。初めてソリストが練習に加わった日の衝撃も忘れられません。人間の肉声は実に感動的な楽器です。来年の「リング抜粋」が待ち遠しいです。

10.新響に一言
 かつて、私が学生の頃、マーラーを全曲やったり、山田一雄先生とサントリーホールで演奏会をやったりしている新響は眩しい存在でした。それは、車とカラーテレビとクーラーのある生活を「すごいなあ」と思うような素朴な憧れでした。
 しかし現在は、そのような形ある繁栄は皆が手に入れてしまった時代。これからの新響が目指すものは、単純ですが「うまくなること」であると思う。同じメンバーで地道な練習を繰り返し、一回一回の演奏会で取り上げる曲の背景に関心を持ち、よい演奏を聴いて感性を深める。指揮者やトレーナーの先生方のアドバイスを体に刻み付け、より深く音楽を理解している仲間の声に耳を傾けながら(新響には結構スゴイ人がいる)、1に練習2に練習。真の豊かさ、音楽の楽しさは、辛抱強い積み重ねによってのみ、手に入るものであると考えます。

11.維持会員の皆様に一言
 アマチュアの音楽活動は自己満足的なものになりやすいですが、維持会の皆様の存在は、新響の活動にささやかな社会的意義を与えて下さるものだと感じています。本当にありがとうございます。よろしければ、練習や打ち上げパーティにもぜひご参加ください。


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